クラック(ひび割れ)
放置すると、大気中の炭酸ガスや水の浸入によりコンクリートの中性化を促進させます。中性化が鉄筋まで及ぶと、鉄が錆びて膨張してコンクリートを押し出す「爆裂現象」を引き起こします。
クラックの原因
地震等、建物に加わる外力によるものです。 コンクリートの乾燥時や季節で異なる温度乾湿の差によって 起こる体積収縮等の要因により発生するものと考えられます。
クラックへの対策
0.5mm以上のクラックは、エポキシ樹脂注入やUカット処理による補修が必要です。0.5mm未満のものはコークボンドやフィラー等のすり込みにて処理します。
1,Uカット工法
①大きなひび割れ幅(0.5㎜以上)は電動カッターでクラック幅を中心にUカット処理(幅10㎜深さ10㎜)を行い溝内を清掃します。
②シーリング用プライマーを塗布した後、シーリング材を充填します。
③硬化乾燥後その段差をポリマーセメントまたはカチオンフィラー(カチオン系フィラー)で面調整を行います。
2,低圧エポキシ樹脂注入工法
①電動ドリル(φ5㎜)で(250~300mmの間隔、20mm以上)、コンクリートに達するまで注入孔をあけ、圧縮空気などを吹付けてコンクリート粉末を清掃します。
②注入孔位置に注入台座をシール材で取り付ける。
③ひび割れ部に幅30mm、厚さ2mm程度に2液形シーリング材を塗付してシールする。
④手動あるいは自動式低圧ポンプもしくは注入器具でエポキシ樹脂を注入します。
⑤注入したエポキシ樹脂が硬化するまで注入器具を取り付けたままの状態で硬化養生を行なう。
⑥注入器具及びシール材を皮スキ、ディスクサンダー等で除去し、仕上を行なう。