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タイル浮き

タイル浮き

コンクリート躯体とタイル張り仕上げなどの仕上げ層との隙間(浮き)をいいます。浮きは外壁の剥落に繋がる危険度の高い要因になります。

タイル浮きの原因

①温度差による
日射を受ける事によって仕上げ層は熱膨張が生じ、夜間は逆に躯体より先に収縮する為、そのくり返しにより付着力が低下します。また、磁器タイルとコンクリートの熱による伸縮係数の違いも生じ、モルタルと磁器タイルの間には隙間(浮き)が生じやすくなります。
②地震などの外力による
建物の変形・揺れ・歪みの発生に伴いコンクリート躯体と仕上げ層との付着力が低下します。
③湿度による
磁器タイル目地などからの吸水により膨張が生じ、乾燥する事によって収縮する、このくり返しにより付着力が低下します。
④凍結融解による
ひび割れ部から進入した湿気が凍結(膨張)・融解(収縮)を繰り返す事により付着力が低下します。
⑤鉄筋の被り厚さ不足
鉄筋の被り厚さ不足により鉄筋に錆が発生し、膨張する事によってコンクリート躯体と仕上げ層を押出して浮きを発生させます。
⑥施工不良叉は建物の不同沈下
コンクリート躯体のジャンカ・異物の混入・過度の深目地なども付着力を低下させる要因となります。また、建物の不同沈下によって外力が発生し同様な浮きが生じます。

タイル浮きの対策

『ひび割れ部』
樹脂注入工法: ひび割れ部に対しシリンダーを用いてエポキシ樹脂を低圧注入し、接着固定により雨水の浸入を防止する工法。(躯体のひび割れ幅が0.3mm~1.0mmで挙動が比較的少ない場合)。
Uカットシール材充填工法: ひび割れ部に対しディスクサンダーなどでU型溝を設け、シーリング材などを充填して表面をモルタル仕上する工法。(躯体のひび割れ幅が1.0mm以上で挙動が予想される場合)。
埋め戻し工法: 錆汁の流出箇所などを除去し、腐食した鉄筋の防錆処理の上、その部分を埋め戻してタイルを張替え修復する工法。
※磁器タイルのひび割幅が0.2mm以上の場合は雨水が浸入する可能性があり、大規模修繕工事の際の仕様では一般的に貼り替えを行っています。また、微細なクラックでも今後幅が拡大する可能性も有り、場合によってはひび割れた磁器タイルを全面的に張り替える場合も有ります。
『欠損部』
充填工法:タイル陶片が欠損している下地を清掃してプライマーを塗布し、ポリマーセメントや軽量エポキシ樹脂モルタルを充填する。
張替え工法: 欠損部に対してポリマーセメントモルタルやタイル用エポキシ樹脂低圧注入を充填したり、鉄筋や手摺などの埋設部分が腐食膨張により欠損している部分に対し、防錆処理後に同上の材料を充填して修復する。

タイル浮き補修(ピンニング工法)

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